「Webデザイナーになるにはどうしたら良いの?」「子育てしながらWebデザイナーは可能?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回は、Webデザイナーとして制作会社に所属しつつ個人でもお仕事をされている、あきたしろまるさんにお話を聞きました。
会社員とフリーランスの違いについてや、子育てをしながらの在宅ワークにおける工夫など、盛りだくさんの内容になっています。
(お忙しい中、本記事のためにイラストを3枚も作成してくださりました!本当にお優しくて素敵な方です…!)
最後まで読むことで「これからWebデザイナーになりたい」「子育てと在宅ワークの両立で悩んでいる」といった人にとって貴重な示唆を得られること間違いなしです!
15年以上の経験を持つWebデザイナー。1児のママ。大学時代は数学の教師を志すも、卒業前に進路に悩み始め、Webデザイナーとしての勉強を開始。1年半の経験を経てフリーランスとなるも、その大変さを経験して就活。Webデザイン会社への就職を成功させる。現在では会社員としてWebデザイン業務に従事する傍ら、自身の経験を綴ったブログ「ウェブカフェ!」を運営している。
しろまるさんの現在のお仕事について
Q. 現在はどのような会社でどのような働き方をされていますか?
webデザイナー
しろまるさん
現在は、Webデザイン・制作を行う会社に所属し、在宅で働いています。
個別にご依頼も受けています。
ーー(編集部)会社員や副業で、Webデザイナーとして在宅勤務されているんですね!
Q. 普段どのようなものを創られていますか?
webデザイナー
しろまるさん
普段はLPやサイトのデザインが主です。
また、通販系の会社様とやり取りしてメルマガ制作・バナーの制作や更新も行っています。
最近ではその通販系の会社様とのやり取りで、メルマガの開封状況や反応を見て分析を行うという作業もあり、デザインだけではなく
幅が広がっています。
個人ではイラストを公開していたところ、なぜかWebデザインではなくイラスト制作のご相談が多いです^^
ーー(編集部)Webデザインやイラストに加えて、データ分析も!幅広いご活躍ですね…!
Q. お仕事の環境を整えるために工夫していることを教えてください!
webデザイナー
しろまるさん
在宅で仕事をするので、パソコンの周りにプライベートなものを置かないように気を付けています。
(漫画を置くとかしないように・・・)
あとは乾燥が気になるので、加湿器をつけています。
それと・・・ブルーライトが気になるのでJINSのメガネを。でも、デザインで色を決めるときは外します。笑
ーー(編集部)なるほど、色をみるときはJINSのメガネできないですね(笑)。仕事スペースにプライベートのものを置かないのは、業務に集中するためにすごく重要な気がします…!
しろまるさんがwebデザイナーになれた理由・経緯は?
Q. webデザイナーになられた経緯を詳しく教えていただきたいです!
webデザイナー
しろまるさん
大学は教育系(数学)だったので教師になるつもりだったんですが、大学3年のときにふと「本当に自分がしたいことって何だろう?」と悩んでしまいました。そこで親の許しを経て、大学を卒業してからしばらくは一人旅に出たり、地球一周の船旅に参加したり、アルバイトをしたりしてお金を貯め自分のこれからをじっくり考える時間をもらいました。
本当は絵を描くのが大好きだったので、急にそこで止まっちゃってたんですよね。
ーー(編集部)なるほど。絵を描くことが好きな気持ちがあって、数学の教師という進路選択に違和感を覚えることに繋がったんですね。
webデザイナー
しろまるさん
そんなとき、デジタルハリウッドのことを知って、見学に行くことになりました。
でもそのときは、最初はWebデザイナーではなくて、プログラマーになるつもりでの見学でした。(大学でプログラミングも習っていたのと、絵を描くのは好きだけど今一つデザイナーになりたいと言い出す勇気がなかったので)
ーー(編集部)しろまるさんは数学もお得意だと思うので、プログラマーとしてもやっていけそうですね…!
webデザイナー
しろまるさん
ですが、入学を検討したスクールのスタッフにWebデザイナーという専攻のことを強く勧められ、迷ったあげくWebデザイナーを勉強することにしたんです。
結果的にはイラストを描く機会があったり、Webデザインを作ったお客様の反応を見るのが嬉しい・・・等もあり、Webデザイナーを選んで良かったなと思います。
ーー(編集部)スクールのスタッフさん、めちゃくちゃファインプレーじゃないですか(笑)!教師にならずにモラトリアム期間を作って自分を見つめられたのが、今のしろまるさんの人生を形作ったのですね。
Q. webデザインの勉強で大変だったところを教えていただきたいです!
webデザイナー
しろまるさん
Webデザインソフトの使いかたは勉強すれば分かったのですが、Webサイト自体がどうやって作られるのか(企画設計など)を勉強せずに卒業制作まできてしまいました。笑
なので、「Webサイトの仕組み」だとか、「どうやって企画を立てて作っていくのか?」ということを後になって必死に勉強しました。
ーー(編集部)単にデザインソフトを使えるだけではWebデザイナーのスキルとしては足りないんですね…!
webデザイナー
しろまるさん
そうですね。Webデザインというとどうしても「作ることだけ」を先に考えてしまいがちですが、作る前の過程(Webサイトの種類や目的、チームでやる場合の分担方法や見せ方など)をしっかり勉強し、準備しておくことが一番大事だと痛感しました。
Q. お仕事しながらの勉強は大変だったにも関わらず続けられたのはどうしてでしょうか?
webデザイナー
しろまるさん
「自分でもできるんだ」というのが常に頭にあったからだと思います。
私はWebデザインというとセンスがあったり、もともと芸術に興味がある人だけができるイメージでした。
でもWebデザインのスクールに入るのを迷っているとき、スタッフの人に「Webデザイナーはセンスがある人が作ってるんじゃなくて、デザインの勉強をして知識やスキルを高めた人が作ってるんだよ。努力をすれば、発想とかは後からついてくるよ。」と言われました。
それで、一生懸命勉強するなら私でもやれるかも・・・と思ったんです。
今思えば入学を促すセールストークだったのかもしれませんけどね 笑
でも、Webデザイナーになって10年以上経って、その言葉は本当だったなーっと日々感じています。
ーー(編集部)これを読んでいる方の中にも、「自分にはセンスがないからWebデザイナーは無理」と思っている人もいるかもしれません。でもそうではなくて、Webデザイナーになれるかどうかは努力次第なんですね。しろまるさんのお話が、読者さんが一歩踏み出す勇気に繋がるかもしれませんね。
お仕事とライフイベントについて
Q. ご結婚や子育てによって、お仕事にどんな影響がありましたか?
webデザイナー
しろまるさん
私は2017年に結婚して、2019年に出産しました。
結婚してからの影響はそこまでありませんでしたが、出産してからはすごく影響がありましたね。
まず、自分のための時間はほぼ皆無です。もちろん残業はできなくなりました。
(法的に小学校入学前までの子を持つ場合は残業無しでOKなので、助かっています。)
ーー(編集部)子育てが始まると、自分の時間をもつのは難しくなりますよね…!好きな仕事ができないことで、フラストレーションが溜まる人もいるのかなと思います…。
webデザイナー
しろまるさん
そうですね、でも私の場合は「仕事ができない・・・!」と落ち込むとかはなく、人に頼ることの大事さを覚えて甘え上手になった気がします 笑
デザインとかだとどうしても一人で抱え込んで自分を追い込んで・・・という感じで作っていたのですが「これどう思う?」と気軽に同僚に聞けるようになりました。
制作の前段階でも、自分が得意なところは多めに引き受けて、期限的に難しい所などはお願いしたり・・・と相談できるようになりました。
同じようなママWebデザイナーさんもいるので、助け合ってやれてると思います。
ーー(編集部)なるほど、同僚と良い関係を作ることで、効率よくお仕事されているんですね!
Q. お仕事と子育ての両立はどのようなことが大変でしょうか?
webデザイナー
しろまるさん
大変なのは、やはり時間がないので勉強時間が少ないところでしょうかね。
SNSにあるような朝活!とか夜活!はするんですけど、子どもって横にお母さんがいないと不安で起きてきちゃう場合もあるので、少なめです。
なので、自分の昼休みとか始業前の短い時間を使って集中して勉強してます。
それ以外は、大変とはあまり感じないですね。
小さい子どもがいるからこそ生活で気づくことやデザインで役立つこともあって、とっても幸せです^^
ーー(編集部)時間がない中でも勉強して、今の生活を「幸せ」と言い切れるしろまるさん、素敵です!
Q. 子育てとお仕事の両立をするためにどのような工夫をされていますか?
webデザイナー
しろまるさん
やはり、自分の許容量をしっかり把握して、期限までに難しいものは遠慮せずに人を頼る!でしょうか。
自分のタスク管理はメモやNotion、手帳などで管理しているのですが「もうどう考えても期限には間に合わない・・・」と思ったら依頼を受けた時点で人に相談します。
ーー(編集部)そうですよね。私も常々感じているんですけど、できないことを「できない」と周囲に伝えられるのってすごく大事で…。正しく人を頼れる方は、「プロフェッショナルだなあ」って思います。
webデザイナー
しろまるさん
あとは、生活の面では生協を使ったりネットショッピングで生活用品を購入して、移動の時間を減らしています。
なるべく子どもと一緒にいるときは、仕事や別のことに向かわなくていいように時間を作っています。
ーー(編集部)お子さんとの時間をちゃんと作るために着実に工夫されている。非常に参考になります。
フリーランスと会社員について思うこと
Q. しろまるさんはフリーランスと会社員の両方を経験されています。それぞれの特徴を教えてください!
webデザイナー
しろまるさん
そうですね・・・。
私が考えるフリーランスと会社員・それぞれ合う人はこんな感じです。
■フリーランスが合う人
・ある程度Web制作の流れを理解し、いざ制作のときに自分のできないことをカバーできる人を探せる人
・個人としての力を試したい人
(私の周りでフリーランスになった人はこの理由が多いです。)
・自由な働き方をしたい人(日中にとらわれず)
・トラブルが起きたときに「なぜこうなったのか」を分解して考えられる人(これができないと自分に全部降りかかる恐れあり!)
・生活に見合うお見積り交渉がちゃんとできる人(私は最初のフリーランスで、これが劇的に下手でした・・・。)
■会社員が合う人
・もっと経験を積みたい人
・経験があっても、きちんとした仕事時間を確保しておきたい事情がある人(保育園の預け時間に制限がある人とか?)
・安定したお給料を確保したい人
・・・書いて見ると、どちらもそれぞれに良い理由がありますね。
私は今の状況が一番合っているかもしれません・・・^^;
ーー(編集部)詳細にありがとうございます!フリーランスの方が、自由なぶん責任が重い印象ですね。一方で、会社員は安定した状態で経験を積める良さが。自分にあった働き方を選択するのが大切だと感じます。
Q. いきなりフリーランスを目指すのではなく会社員を経てからフリーランスになった方が良いと考えられていますよね?
webデザイナー
しろまるさん
そうですね。これはもしかしたらWebデザイナーのお仕事だけに限られるかもしれませんので、一応そのことを踏まえた上で聞いていただくとして・・・。
Webの勉強をすれば、誰でもそこからフリーランスになることは可能ではあると思います。SNSなどでも、〇日でWebデザイナー!のような広告をよく拝見する時代ですし。
ですが、長くフリーランスとして続けられるかどうか?は別だと思っています。
会社員は時間の拘束こそありますが、
・自分が知らない分野のスキルに触れられる
・長くお客様と付き合っていくためのノウハウ
・ときには個人でいきなりいただくことができない大きな仕事の経験
・先輩の発想のしかたや勉強のしかた
・お見積りの仕方や請求についての基礎知識
などなど、フリーランスでは自分から得ることが難しい経験やスキルが簡単に得られる環境に身を置けます。
このような経験やスキルが足りなかったため私自身もフリーランスから一度会社員に戻った経験があります。
ですので、少しの期間でもいいから会社員Webデザイナーを経験しておいたほうが良いと思います。
ーー(編集部)会社員だからこそ得られる経験をしないと、フリーランスとして長く続けるのが難しいということなんですね!これからWebデザイナーを目指す人や、働き方で迷っている人は、念頭におくとよさそうです!
Q. しろまるさんが考える「フリーランスwebデザイナーになるためのロードマップ」を教えてください!
webデザイナー
しろまるさん
短い時間でも期間でもいいので、ぜひ最初に会社員としてWebデザイナーを経験されることをお勧めします。
ちょっと遠回りと感じるかもしれませんが、会社員としてWebデザイナーを経験しておいたほうが、絶対にフリーランスになってから長く続けられると思います。
また、会社員として所属している間に自分のWebデザイナーとして伸ばせる部分も理解して伸ばしておいたほうがいいです。(それがきっとフリーランスになったときにアピールポイントになるので)
ーー(編集部)会社で経験を積みながら、自分の強みを伸ばす努力もした方が良いということですね!
編集後記
今回は、Webデザイナーとして活躍されているあきたしろまるさんへインタビューしました。
お忙しい中、なんと本記事のためにイラストを3枚も用意してくださって感激しています!(どれも本当に素敵です!!)
お話の中では特に、「Webデザイナーはセンスがある人がなるのではなく、勉強して知識や技術を身につけた人がなる」というお話が印象に残っています。
「自分には才能がないから…」とWebデザイナーになるのを躊躇っている人には、希望でもあり喝でもあるお言葉だなと。
また、子育てとお仕事の両立のお話では、時短術であったり、仕事の環境を整えることで集中して業務にあたる工夫をれているというのも、示唆に富んでいたと思いました。
パワフルに活躍されているしろまるさんのお話を聞いている、こちらも元気になってくる。そんな素敵なインタビューとなりました。